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小林よしのり
2018.1.22 04:15日々の出来事

「安倍向け安倍」になびかない


『よしりん辻説法』のコンテを完成させた。

担当りか坊が38度の高熱なので、わしにうつることを

警戒して、打ち合わせを延期したいそうだ。

りか坊は風邪ひいた報告に「恥ずかしながら」と書いて

いるのが旧日本兵みたいでえらい。

完治してから打ち合わせに来てほしい。

 

今日から『大東亜論』のコンテを始める。

SAPIO」は日本人に「反日」のレッテルを貼って、

バッシングしてるらしく、左方面から批判されている。

「右向け右」しか雑誌が売れなくなってるから、仕方が

ないのだろう。

わしは自分の漫画しか読まないから知らん。

 

そういえば「新潮45」も「安倍向け安倍」になったようだ。

わしは適菜収の「安倍批判」が好きなのに、今はどうなっ

てるのだろう?

 

メディアやジャーナリストが権力になびくのを仕方がない

とする風潮をわしは座視できない。

ネットの影響で人々が感情まで劣化した現状で、言論や

ジャーナリズムはより敏感に権力のチェック機能を果たす

べきだとわしは思っている。

 

「安倍向け安倍」が商売上、得なのは分かっている。

「安倍向け安倍」ならケントギルバードや小川榮太郎や
百田尚樹など、
どんなフェイク本でも売れるのだから。

そこをどう突破するかが、創作者・表現者の意義の見せ

どころだろう。

 

そんな中で「SPA!」が「右向け右」にも「安倍向け安倍」

にもならずに、相変わらず価値相対主義でやっている。

「安倍向け安倍」にならずに商売できてるのは立派だ。

社会が権力になびくようになったとき、全体主義化して

きたときは、この価値相対主義が有効に働く。

かつてはオウム真理教と、オウムに命を狙われている

わしを、価値相対主義に晒したから怒って出て行ったが、

今は権力になびかぬ態度がジャーナリズムとして平衡を

保っている。

 

商売のために「安倍向け安倍」になることは、わしは

絶対にない。

現状を受け入れたら表現者としての自分の意味がなくな

ってしまう。

あくまでも商売で突破することが自分の存在意義なのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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